もう一度 情報子を復習 属子 genon

もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
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 次に属子 genon です。


 名子にかかって、その名子に情報を追加するものです。形容詞のほか、関係代名詞以下の文もこれに含まれます。


 「私の」のように所有、帰属を表すものも属子になります。


 この「の」は何か、「私の」という属子の一部と考えてもまったくさしつかえありません。


 「私の本」は本という名子に「私の」という属子がついて大きな名子になります。


 「私が昨日買った本」は本という名子に「私が昨日買った」という属子がついて大きな名子になります。



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もう一度 情報子を復習 動子 verbon

 

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 さて、動子 verbon です。述語に相当することから述子とした方がよかったかもしれません。


 前に書いたように、「へそで茶をわかす」など、品詞分解しても、情報としては何の意味もありません。


 「速く歩く」は動子に如子がついていますが、全体としては大きな動子になっています。


 花は美しいの「美しい」は動子になります。


 問題は 「私は教師です」をどう取るかです。
 教師が名子で、「です」が動子ですが、「です」だけでは情報が不十分です。
 これは「教師です」を大きな動子と取るのがよさそうです。英語でも am a teacher 全体を動子と捉えます。


 



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もう一度、情報子を復習 名子 nomon

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 情報子は常に機能本位の取り扱いをします。
 動名詞であろうが、to 不定詞の名詞的用法であろうが、その部分が担っている機能が名子の機能であれば、名子として扱います。
 さらには、本 a book のような名子に「昨日買った」I bought yesterday のような属子がついて、昨日買った本、the book I bought yesterdayとなると全体として大きな名子となります。


 では、a book はどうなるでしょうか。これでひとつの名子です。book では困るわけです。買おうとすれば、book では買えないので、a book のように実体のあるものにする必要があります。
 日本語でも、実際には本ではなく、「本を」買うわけです。
 本というのは非常に抽象的なもので、「を」がついて、買う対象という具体的なものになります。もちろん、日常的には、「本買った」と言うこともありますが、そこには「を」が意識されているはずです。
 日本語のローマ字では、 Hon wo kau と分かち書きしますが、韓国語では、「本を」でひとつです。「私は」、「家で」、「家へ」とどれも続けて書きます、これは非常に卓越した言語認識ではないかと思います。なぜかというと、「本を」となることによって、その本が何かの対象になり、「家で」になることによって、その家がもはや家という物体ではなく、空間に変わっていることがわかるからです。この「で」や「を」、「へ」は量子 quanton に相当し、名子について、その名子の感触を示し、場合によっては「家で」のように原子 campon に変えてしまいます。
 ことばの世界では、このように、次々に変化が起きていて、私たちは無意識のうちにそれを認識しています。


 その変化のあり方が日本語と英語ではちがうわけです。


 英語の dog にも日本語の犬にも、今一つゆるぎないイメージは浮かんできません。a dog となることによって、輪郭を獲得し、具体的な姿が浮かんできますが、まだまだ不確定要素があります。日本語では「犬が」となるか、「犬は」となるか、「犬を」になるかによって、 イメージが狭まってきます。「犬なら」というのもあります。そのどれもをやや大きな名子捉えることができます。「犬なら」は原子に近くなります。
 A dog could do it. 犬ならできるよ。


 英語の translation と日本語の翻訳は同じではありません。日本語の翻訳の方が名子として安定しています。英語の translation には動子の動きが残っていて、そのままだとどうしても「翻訳すれば」という情報が残ってしまいます。


 Translation will make it clearer. 


 翻訳すれば、もっとはっきりするよ。 


 単なる構造だけなく、その辺りを考慮に入れておかないと、2つの言語の間を行き来することはできません。名子というものはさまざまな感触を持ちうるものであり、時にこのように動子の動きを秘めていることもあります。


 言語というものは、構造だけで理解できる機械のようなものではなく、体内で化学反応が起きている生物のようなものであると捉える必要があります。







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