もう一度 情報子を復習 量子 quanton

もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
Digital Ebook Purchas

 さて、どの言語にも名子に何らかの感触を添える要素があります。それが量子 quanton です。


 英語では a、a cup of、語尾の s、certain などがこれにあたります。
 日本語では、ら、たち、を などがこれにあたります。


 英語では water が a water となることによって、1杯の水になり、水という概念ではなくなります。また、waters となれば水域、海域となり、ひとつ次元の高いものになります。


 日本語で犬というと、犬という生物種、犬という概念である可能性が残りますが、犬ら、犬たちになると、その可能性が消えます。犬をになっても、その可能性はほぼ消えます。


 このように同じ名子でありながら、その感触を微調整するのが量子 quanton です。
 どの言語でも、その存在を軽視することはできません。 


にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
にほんブログ村

もう一度 情報子を復習 原子 campon

もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
Digital Ebook Purchas

 前に「危険ですから」が全体として、for your safety に対応すると書きました。これは「窓から手や顔を出さないでください」の前提となるもので、背景と言い換えることもできます。
 それが、原子 campon です。


 時間、空間、原因、理由、手段など、何らかの文を導くための背景となるものです。


 ここで、翻訳を考えるにあたって、二つの言語間で品詞は対応しないが、情報子は対応するという命題を考えていきましょう。


 血圧が高いと実にさまざまな病気(疾患)の原因となる。


 High blood pressure may cause a wide variety of diseases.   



 日本語は「血圧が高いと」が原子 campon になっていて、見えない主語(名子)があり、「さまざまな病気の原因となる」という動子があります。
 一方、英語は一見、名子+動子+名子となっているように思えます。


 それでは、情報子が対応しないことになります。


 ところが、よく見ると、high blood pressure が無冠詞になっています。一般名詞が無冠詞のままでいると、その動きを完全に封じられておらず、「血圧が高いと」というような仮定の意味合いを残しています。そう考えれば、日本語と英語とは情報子が対応していることになります。医師がよくやるようにこの英文を「高い血圧は実にさまざまな病気の原因となる」は誤りです。
 そもそも「高い血圧」はありえません。名詞の動きを封じたければ、高血圧 hypertension とする必要があります。専門用語は絶対概念なので、名詞に含まれている動きの要素が完全に封じられています。


 Hypertension may cause a wide variety of diseases. 


  これなら、「高血圧は実にさまざまな病気の原因となる」となり、情報子が対応します。
 



にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
にほんブログ村

もう一度 情報子を復習 如子 modon

もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
Digital Ebook Purchas

 動子にかかって、「どのように」を表すのが如子 modon です。


 ゆっくり、slowly、速く quickly、
 用量依存性に in a dose-dependent manner などがこれに当たります。


 さて、では「毎日」は背景に相当する原子 campon なのか如子 modonなのか。


 毎日という時間的背景があって、次に文が続くのかどうか、ちょっと検証してみましょう。


 昨日、私は学校へ行きました。この「昨日」は明らかに時間的背景です。


 ところが、
 毎日、私は学校へ行きます。


 この文はやや違和感があります。この意味なら「私は毎日学校へ行きます」の語順の方がしっくりきます。


 つまり、背景になっていないということです。「学校へ行く」に対して、毎日という頻度を表しているので、「どのように」を表す如子と考えることができます。


 ちなみに、Everyday, I go to school.
 とあると、ここぞとばかり「毎日、私は学校へ行きます」と訳す人がほとんどですが、everyday が如子なので、基本的に動子に付属するもので、文全体の背景になるものではありません。
 ですから、「私は毎日学校へ行きます」と動子の近くに来る方がこのましいのです。
 英語で文頭に来ることができるのは、英語は主語+動詞で、動詞が前の方に来るので、文頭に来ても、動詞との距離がそれほど大きくならないからです。





にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
にほんブログ村