大きな情報子と小さな情報子

もしもアインシュタインが翻訳家だったら 〈第III部〉情報量が翻訳の宇宙を支配する (夢叶舎)
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 さて、品詞と情報子のちがいのひとつは、品詞では名詞はあくまで名詞、形容詞はあくまで形容詞で、名詞と形容詞がくっついても、あくまで形容詞+名詞であるということです。


 一方、情報子は「私が昨日買った本」だと、「私」が名子、「が」が流子、「が」が「私」について「私が」が名子、「昨日」は原子、「買った」は動子ですが、「私が昨日買った」全体が名子「本」にかかる属子になります。


 さらに、「私が昨日買った本」が全体として名子になります。
 
 そこに「面白かった」がつくと、これが動子となり、全体として、名子「私が昨日買った本は」+動子「面白かった」から成る文になります。


 「昨日買った本はむずかしかったので、読むことができなかった」という文なら、「昨日買った本はむずかしかったので」が大きな原子、「読むことができなかった」が動子、見えない主語、名子「私」が隠されています。


 情報子はいろいろくっついてどんどん大きくなり、最後には原子と名子、動子が残り、場合により、格子がこれをつなぐことになります。
 
 格子とは接続詞等、文の枠組みをつくるものです。
 
 けれども、しかし、だから、どれも格子です。「とは驚きだ」や「不思議なことに」なども格子になります。


 「と」も格子ですが、「犬と猫」は名子+格子+名子で全体として名子になります。
 この場合、格子は名子の一部になりますが、「けれども」などは格子のまま残ります。


 どの文も、最後には大きくなった名子と動子と原子から成り立ち、場合により格子が残ります。


 もちろん、何語でもそうなります。そこで、名子、動子、原子、格子を大きな情報子、残る4つを小さな情報子と呼ぶことにします。




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